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2021.12.21

フィリピンと日本の新型コロナ感染症の状況


日本の新型コロナ感染の状況

2021年10月1日に緊急事態宣言が一旦すべて解除されました。
11月に入り1日あたりの新規感染者数の平均が全国で150人ほどと落ち着いた数値で推移していたことから、日本政府は日本での就労や就学を目的とする外国人に対して、新規入国制限の緩和措置等を盛り込んだ水際対策を発表。しかしその発表から数週間後の11月26日に、WHO(世界保健機関)が新型の変異株である「オミクロン株」の発生を正式発表しました。
10月から12月前半にかけ、日本への入国準備をしていた方々や関係者は、状況に一喜一憂させられました。

日本政府は直ちに「外国人に対する新規入国制限の緩和措置」の一時停止等、水際対策の強化を行いましたが、2021年12月18日時点で、65名のオミクロン株感染者が確認されています。この時点までのオミクロン株感染者は日本への入国者(帰国者)で、空港検疫等で陽性と確認されましたが、12月16日には新型コロナウイルス感染症の陽性者が利用する宿泊療養施設に勤務し、海外渡航歴のない関西空港検疫所の職員が、オミクロン株に感染していたことが確認されました。これからの冬本番を迎える日本にとって、オミクロン株の感染状況を注意深く、監視していかなければなりません。

新型コロナ感染症の感染状況ですが、日本の累計感染者数は1,729,777人、死者数は18,371人(2021年12月18日現在)です。新規感染直近1週間の1日あたりの新規感染者数平均は138人でした。ワクチン接種の状況は、総接種回数198,702,092回で、2回接種完了者が98,318,721人、人口の77.6%(2021年12月18日現在)となっております。


2021年12月1日から3回目のワクチン接種も開始されました。3回目の接種対象となるのは、以下を全て満たすかた全員です。
▷2回目接種を完了した日から、原則8か月以上経過した方
▷18歳以上の方
▷日本国内での初回接種(1回目・2回目接種)又は初回接種に相当する接種(日本政府が承認しているワクチンを海外で2回接種している方等)が完了している方

今後の研究・調査でオミクロン株の特徴が明らかになり、3回目の追加接種を含むワクチン接種や一般的な感染症対策が依然として有効で、前回のデルタ株同様に抑え込めることを願うと共に、各国政府の的確な対応と有効な治療薬の開発を期待します。


フィリピンの新型コロナ感染症の状況

フィリピンの累計感染者数は2,837,730人、死者数は50,784人(2021年12月19日現在)です。累計感染者数がフィリピンは日本の約1.6倍、死者数は約2.7倍です。ワクチン接種の状況は、総接種回数100,907,667回で、2回接種完了者が43,534,136人、人口の約39%(2021年12月19日現在)となっており、日本と比較して接種実績は約2倍の違いがあります。

フィリピンでは、ワクチン接種が人口の密集しているマニラ首都圏から優先的に行われており、フィリピン政府の報道によれば、マニラ首都圏におけるワクチン接種対象者数とワクチン接種回数から、計算上マニラ首都圏の全ての対象者へのワクチン接種が完了しているとのことです。そのことを裏付けるように、11月のフィリピン全国の新規感染者数は1日あたり900人前後から減少し続け、12月に入ってからは1日あたり300人前後で推移しています。またワクチン接種対象ではない12歳未満の子供の数を日本とフィリピンで比較すると、年齢区分が2年違いますが、日本が12歳未満1191万人なのに対し、フィリピンは10歳未満の子供だけで2270万人います(2020年のデータ)。フィリピンは人口の3割強が12歳未満と推測できるので、接種対象年齢に対するワクチン接種がおよそ50%完了したと考えられます。

フィリピンの感染防止措置の状況ですが、マニラ首都圏においては、9月中旬に試験的に導入された“警戒レベルシステム”で、12月末までは5段階のうち4番目に厳しいレベル2となっていて、以前と比較すると、随分と緩和された外出・経済制限となっています。具体的な制限内容は下記の通りです。

1.健康な成人であれば、感染予防対策をしての移動が許可されています。
2.地域間の移動も、目的地の自治体で課される規則に従って許可されます。
3.屋外運動はすべての年齢層に許可されます。
4.局所(細分化された)ロックダウン下にある領域を除き、ほぼすべての施設または活動は、最大50%の定員または座席数で運営が許可されます。5段階のうち3番目に厳しいレベル3では禁止されていた映画館などの屋内娯楽施設や、カラオケバー、バー、クラブ、コンサートホール、劇場などのライブパフォーマーがいる会場、そして屋外および屋内の遊園地またはテーマパークなどの子供向けの施設も運営できるようになりました。
5.政府機関は、完全に機能し続け、少なくとも50%の現場能力を遵守します。

フィリピン人にとって、クリスマスは一年の中で最大で、一番大切なイベントです。11月から家庭用のクリスマス飾りの出店が立ち並び、12月はクリスマスのための買い物と親族、友人同士とのパーティーや職場でのパーティーで、クリスマスを祝うのが恒例でした。その意味では、今年はクリスマスに向け、日本と同様に感染者数が落ち着いていて、移動・行動制限が緩和されたことは非常に喜ばしいことです。オミクロン株への懸念はありますが、感染症対策の継続とブースターを含むワクチン接種の実施が今後の感染抑制のカギとなります。

日本とフィリピンが、オミクロン株の影響をそれほど受けることなく感染を抑え込めれば、日本の水際対策の見直しが再度検討され、フィリピンから技能実習生などが入国できるようになるでしょう。そしてフィリピン人受入れを検討して頂ける企業もきっと増えるはずです。新型コロナ感染症の収束を見据えた外国人労働者雇用への動きが重要となります。

フィリピン人の雇用を検討されている企業様、ぜひご気軽にお問い合わせください。


(首相官邸、厚生労働省、フィリピン保健省、在マニラ日本大使館領事班発表の情報、数値を引用)

厚生労働省ホ-ムペ-ジ

在フィリピン日本国大使館ホ-ムペ-ジ