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2021.10.27

フィリピン人労働者が扶養控除を受けるためには

 

 

年末調整のための書類がこの時期になると郵送されてきますね。

今回は外国人の給与所得者の扶養親族申告する場合について書きたいと思います。

 

 

日本に働きに来ているフィリピン人労働者の多くは、母国フィリピンにいる自身の家族の為にお給料の一部、または自身の生活費にかかるお金以外のほとんどを家族へ送金しています。

マニラで日本企業の方がフィリピン人雇用のために面接をしたときに、なぜ日本で働きたいのかと質問すると、複数の答えが返ってくる中に、必ずと言って良いほど“自分の家族の生計を保つため” と答いう答えがあります。とっても印象的だったのは、まだ、社会人経験のない18歳のフィリピン人との面談の時 “自分が高校卒業して日本で働いたら、そのお金で妹や弟を学校に通わせたい。両親に送金して家庭を支えたい”という回答を耳にしたときです。

日本にいる高校生が、自分が働いて家庭を支えるという回答をする人はどのくらいいるのだろう?

また私自身、高校生の時はアルバイトをしていましたが、生活費を入れるという考えを全くもっていませんでした。自身の趣味や遊びのためにアルバイトをしていたと思います。

家族親族を何よりも大事にするという心がフィリピン人の素敵なところであり、素晴らしいことだなと思います。

では実際にフィリピン人が扶養控除を受けるためにはどのような書類を必要とするのでしょうか。

 

 

国税庁によりますと

給与等又は公的年金等の源泉徴収及び給与等の年末調整において、非居住者である親族(以

下「国外居住親族」といいます。)に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除又は配偶者特別

控除(以下「扶養控除等」といいます。)の適用を受ける居住者は、その国外居住親族に係る

「親族関係書類」や「送金関係書類」(これらの書類が外国語で作成されている場合には、そ

の翻訳文を含みます。)を源泉徴収義務者に提出し、又は提示する必要があります。

◎ 「親族関係書類」とは、次の①又は②のいずれかの書類で、国外居住親族が居住者の親族で

あることを証するものをいいます。

① 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し

② 外国政府又は外国の地方公共団体(以下「外国政府等」といいます。)が発行した書類原本

(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)

注 意 事 項

  • 1 親族関係書類は、国外居住親族の旅券の写しを除き、原本の提出又は提示が必要です。
  • 2 ②の外国政府等が発行した書類は、例えば、次のような書類が該当します。
  •  ・戸籍謄本 ・出生証明書 ・婚姻証明書
  • 3 外国政府等が発行した書類について、一つの書類に国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の全てが記載されていない場合には、複数の書類を組み合わせることにより氏名、生年月日及び住所又は居所を明らかにする必要があります。
  • 4 一つの書類だけでは国外居住親族が居住者の親族であることを証明することができない場合には、複数の書類を組み合わせることにより、居住者の親族であることを明らかにする必要があります。

 

 

【外国政府等が発行した親族関係書類の組合せ表】

※ 必要書類の組合せの具体例

 

 

 

 

 

  • 5 16 歳未満の非居住者である扶養親族(扶養控除の対象とならない扶養親族)であって

も障害者控除を受ける場合には、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示が必要

です。

 

 

フィリピンの場合、親族関係書類として提出できる書類はバランガイ証明書(居住証明書)というものになります。

フィリピンの自治体は州(Province)、市(City)、そしてBrangayから構成され、Barangayは行政の最小単位であり、バランガイ証明書は、このバランガイが発行する証明書です。

フィリピンのバランガイ証明書は結構適当なのか?フィリピン人労働者にバランガイ証明書を取得するように言うだけだと、日本の税務署が必要としている情報が記載されていない場合があります。このためバランガイ証明書に日本で提出する際に必要な情報をかならず記載させるようにする必要があります。

 

 

  • 1. 扶養家族の氏名 2. 住所 3. 生年月日 (4. 本人との続柄)

 

 

TDGHRMから派遣され、日本で働いているフィリピン人は、入国時にこのバランガイ証明書を自身で取得して持参するようお願いをしています。

なぜなら、入国後に必要書類を請求した場合、家族が書類の申請手続をし、書類を取り寄せ日本に郵送しなければならず、手間と時間がかかるからです。

ちなみに、こちらのバランガイ証明書は、入社時に企業に提出しておけば、扶養家族の変更(例えば亡くなったとか、結婚されて扶養から外れたとか)がなければ、翌年も同じもので対応が可能とのことです。

 

 

以下国税庁の回答

[A] 「親族関係書類」については、法令上、書類の発行日に関する規定はありませんので、 書類の提出日より 1 年以上前に発行されたものであっても有効な書類として認められます。 ただし、扶養控除等の対象となる親族については、結婚や離婚などにより異動があるた め、扶養控除等申告書などの申告書に記載された国外居住親族が居住者の親族に該当する かどうかは、その申告書が提出される日の現況により判定することとされています。 したがって、「親族関係書類」の発行日が扶養控除等申告書などの申告書の提出日より数 か月以上前であるような場合には、これらの申告書の提出を受ける際に、その国外居住親 族の親族関係に変更がないかを申告書の提出者に確認していただくようお願いします。

[A] 扶養控除等申告書などの申告書に記載された国外居住親族が居住者の親族に該当するか どうかは、その申告書が提出される日の現況により判定する必要がありますので、基本的 には、扶養控除等申告書などの申告書を提出する都度、その国外居住親族に係る「親族関 係書類」を提出又は提示してもらう必要があります。 なお、その国外居住親族の親族関係や住所等に異動がない場合には、前年以前に提示し た「親族関係書類」を再度提示することも可能ですが、その場合は、給与等の支払者が扶 養控除等申告書などの提出を受ける際に、その国外居住親族との親族関係について前年と 変更がないかを申告書の提出者に確認していただくようお願いします。

 

 

上記以外の詳しい情報は国税庁のホ-ムペ-ジ、国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)に載っています。

国税庁のホ-ムペ-ジ

 

今回は日本で働くフィリピン人が扶養控除を受けるための手続書類について記載しました。

 

 

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