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2025.02.05

フィリピン屋台料理 フィリピン料理のご紹介

道端で舌鼓み

 

世界中どこにでも道路わきで軽食を商う小さなお店があります。日本の握り寿司もお蕎麦ももとは庶民のストリートフードでした。その土地独特のおつまみ料理は訪問者の好奇心を掻き立てるものです。ということで今回はフィリピンの街なかで見かけるB級グルメのいくつかをご紹介いたします。

 

タホ

前後にバケツ大の容器をつるした天秤棒を担いだタホ売りは、午前中、それも比較的早い時間に見かけられます。タホの正体は水っ気の多い温かな豆腐。

一口サイズのプラスチックカップに入れて、上から甘いシロップをかけた後に軽くかき混ぜて手渡されます。甘いものが苦手な筆者はシロップを断り、持ち帰った家で醤油をかけて食べていました。

 

 

https://youtu.be/bVRqP1pABd0

 

蒸し落花生 

日本では皮をむいた状態で煎ったり揚げたりしたものが一般的ですが、フィリピンでは殻付きで茹でたものを食します。年季の入った手押し車に載った蒸気を噴き上げるお釜を見かけたら、それはトウモロコシか落花生売りです。ニンニクと一緒に油で揚げたものも人気ですが、ちょっと塩味のついたしっとりした蒸しピーナッツは、皮を割る手が止まらなくなります。

 

バーベキュー 

夕方から夜にかけて人気なのは炭火の串焼き。フィリピンでバーベキューと言えば、竹串に刺して炙った鳥や豚の串焼きのことを言います。肉や皮、内蔵、鳥の頭や足などを甘いタレにつけて焼きます。珍しいところでは、豚の血を固めて羊羹のように四角く切り揃えたもの。これも串に刺して売られています。

 

ゆで卵の天ぷら  

茹でた卵に衣をつけてあげたものにピリ辛の酢をつけて食べます。オレンジの衣は植物由来の着色料が使われているそうですが、初見ではギョッとする毒々しさです。鶏卵の他にもアヒルやウズラの卵、さらにはひよこの姿揚げもあります。

 

フライドチキン

普通にもも肉や手羽先も売られていますが、珍しいのは日本ではセセリと呼ばれる首肉の部分です。ただしそこはフィリピンの屋台料理、精肉されていいないため文字通りむしゃぶりつかなければなりません。うま味たっぷりなのですが、上品に食べるのは最初から諦めて、両手を思いきり油まみれにする覚悟でいただきましょう。

ブコ

南国で飲む椰子の実のジュースはいったいどんな味なのだろうと思ったものでした。最初に目の前で実を割ってもらって飲んでみたら、ぬるいスポーツドリンクのようで意外な感じがしました。ところが道端で大きなプラスチック容器に入れられて売られている白濁したブコ(椰子の実ジュース)は、想像を超える甘さ。多分本来の果汁より、加えられた大量の氷とたっぷり加えられた砂糖を飲んでいるのだと思います。

 

シューマイ

日本のシューマイとほぼ同じものが道端の屋台で売られています。蒸し器のついた屋台スタイルは最近になって紹介されたものですが、一気に市民権を得て今では町中いたるところで目にします。同時期に登場したギョーザは鳴かず飛ばずでした。注文は4個で1セット。細長い紙皿に載せられチリと醤油とカラマンシをかけて、楊枝で食べます。ポークやビーフに混じってジャパニーズシューマイとあったので何かと思えば、海苔が巻かれていました。

 

 

パレスパレス

よそ者にとって一番ハードルが高いと思われるのがパレスパレス。炒めたパラパラのご飯の上にどろりとした牛肉汁をかけていただきます。追加でいろいろな部位を注文できますが、温め直されてでてきたそれらは見た目ではそれが何なのか、いや食べてみてからでさえわからないスリルに満ちています。

 

まとめ

 

胃袋が強いのか、運が良かったのか、筆者にはこれらの食べ物を口にしてお腹を壊したという記憶はありません。ただ清潔な上水がふんだんにあるわけもなく、土ぼこりが舞う舞い跳ぶ道路わきで調理される庶民の食べ物。その環境込みで風情のうちと考えるかどうか、意見の分かれるところかもしれません。

 

執筆者 上村康成 From TDGI東京オフィス