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2021.11.08

外国人技能実習制度について(第3弾)

 

 

11月5日のブログで、技能実習制度に係る審査、監督、支援を行っている機関、外国人技能実習機構について、ご紹介しました。

 

 

11月5日のブログはこちら↓↓↓↓↓

 

 

外国人技能実習機構(以下「機構」と言います。)の主な業務の中に、技能実習に関する、調査・研究というものがあり、技能実習の実施状況や、帰国後技能実習生のフォローアップに関する調査や研究などを行っています。また技能実習計画認定に関して、国籍別、年齢別、性別、職種別、都道府県別等での数値データを公開しています。

 

 

今回は2020年度(令和2年度)の統計を見ながら、技能実習の状況を解説していこうと思います。

 

 

2020年度の技能実習計画認定件数は256,408件でした。2019年度の技能実習計画認定件数が、366,167件でしたので、前年比で30%減でした。内訳は、企業単独型技能実習が、4,710件(1.8%)、監理団体型技能実習が251,698件(98.2%)と、圧倒的に監理団体型が主流です。また技能実習のステージ別で見ると、

 

 

  • 技能実習1号:  92,801件 (36.2%)
  • 技能実習2号: 137,408件 (53.6%)
  • 技能実習3号:  26,199件 (10.2%)

 

 

となっています。2号と3号は2年間の計画認定のため、実際に実習をしている人数は256,408よりも多くなります(出入国在留管理庁の情報では、378,000人の技能実習生が日本に在留しています)。前年2019年度の技能実習1号の認定件数が190,051件、そのうち翌年の技能実習2号の認定へ進んだ件数は137,408件です。つまり約28%の外国人が、もともと技能実習計画は認定されたが技能実習1号として入国しなかった、あるいは2号のない職種の技能実習か、2号に移行しないで帰国したことになります。認定件数の減少には新型コロナ感染症のパンデミックに見舞われたことも大きく影響したはずです。3号に移行して実習を継続する数は、2号の実習計画認定数の20%程と意外と少ないですね。2号修了までの3年間が経過したのち、3号まで進む技能実習生はまだ少ないということでしょうか。

 

 

男女比ですが、男性の認定件数が147,360件で全体比57%、女性の認定件数が109,048件で全体比43%と、男性の方が多いです。建設や溶接など、まだまだ男性比率が高い職種があることが起因しているのかもしれません。ただ男性比率が高い職種でも、積極的に女性を受け入れる取り組みをしている企業もあるようです。「女性の溶接工は溶接が非常に丁寧」と溶接職種で女性を受け入れている企業の話を聞いたこともあります。

 

 

技能実習生の年齢層ですが、10代が31,522件(12%)、20代が169,312件(66%)、30代が48,127件(19%)、40代以上が7,447件(3%)となっており、やはり20代の若い年齢層が多いです。技能実習の要件が18歳以上なので、10代は18歳、19歳の外国人ですが、12%も占めることに驚きました。

 

 

技能実習の職種は、2号への移行対象となっている職種・作業が、85職種156作業(2021年3月現在)あります。85職種は大きく分けると、

 

 

  • ① 農業関係
  • ② 漁業関係
  • ③ 建設関係
  • ④ 食品製造関係
  • ⑤ 繊維・衣服関係
  • ⑥ 機械・金属関係
  • ⑦ その他
  • ⑧ 社内検定型

 

 

とあり、一番認定件数が多い職種は、「その他」※で88,120件(24.1%)、次に「建設」で76,013件 (20.8%)、次に「食品製造関係」で68,843件(18.8%)となっています。

 

 

※ 家具製作、印刷、製本、プラスチック成形、強化プラスチック成形、塗装、溶接、工業梱包、紙器・ダンボ-ル箱製造、陶磁器工業製品製造、自動車整備、ビルクリ-ニング、介護、リネンサプライ、コンクリ-ト製品製造、宿泊、PPF製造、鉄道施設保守整備、ゴム製品製造 がその他の職種に含まれます。

 

 

以前のブログでもお伝えした通り、技能実習生の送出し国で、一番多い国はベトナムで、外国人技能実習生の55%を占めています。次いで中国が17%、インドネシアが9%、フィリピンが8%と、この4か国で89%を占めています。

 

 

弊社グループ会社はフィリピン送出機関ですので、フィリピンにスポットを当てて、技能実習の職種を見ていきたいと思います。

 

フィリピン人技能実習生の職種で一番多いのは「建設関係」(4,954件)で、2番「機械・金属関係」(2,778件)、3番「農業関係」(2.364件)、4番「食品 製造関係」(2,338)、5番「溶接」(1,973件)、6番介護(917件)、7番が塗装(890件)、8番が自動車整備(832件)と続きます。

 

 

技能実習生の計画認定件数を都道府県別で見ると、機構が公表している2020年度の計画認定件数のデータによると上位5つの都道府県は、1位は愛知県(24,573件)、2位は大阪府(12,998件)、3位は埼玉県(12,667件)、4位は千葉県(11,441件)、5位は東京都(10,504件)となっています。愛知県が1位なのは、自動車関連の製造業が多いからでしょうか。また大阪、東京首都圏と、人口、産業が密集している地域に、当然ながら技能実習生も多くなっています。

 

 

フィリピン人技能実習生だけに限定してみると、上位5つの都道府県は、1位は愛知県(2,400件)、2位は静岡県(1,376件)、3位は広島県(1,207件)、4位は埼玉県(1,055件)、5位は千葉県(874件)となっています。2位の静岡県は、フィリピン人の技能実習職種で、「機械・金属関係」の比率が高いからでしょうか。また3位の広島県にフィリピン人技能実習生が多いのは、溶接、塗装といった造船関連の技能実習生が多いからかもしれません。造船産業は、中国、韓国、日本の3か国で多くのシェアを占めていますが、フィリピンでも造船が行われています。

 

 

以上、簡単ではありますが、機構が公開している技能実習に関するデータをフィリピンにスポットを当てながら、お知らせしました。

  • 詳細につきましては、外国人技能実習機構のホームページもご覧ください。↓↓↓↓↓

https://www.otit.go.jp/

 

 

弊社グループ会社のTDGHRMでは、「建設」「介護」「機械加工」といったフィリピン人技能実習生で上位にくる職種での送出し実績があります。フィリピン人技能実習生受入れにご興味がある企業様、監理団体様、また技能実習生に限らずフィリピン人労働者の雇用を検討されたい企業様、あるいは興味があるので少し話しを聞いてみたいなど、お気軽にTDGI東京までご連絡ください。

 

 

(外国人技能実習機構の情報、数値を引用)