Topics|トピックス

2021.10.19

技能実習生が受検する技能検定

  • 技能実習生は、日本で働きながら、技能や知識を学びます。
  • 「技能実習制度」では、「どのようなことを、いつごろ学ぶのか」が大切なポイントになります。
  • 技能実習生を受け入れる企業(実習実施機関)は、監理団体の指導に基づいて技能実習を適正に行うために技能実習計画を作成し、その計画に基づいて実習が行われます。

 

 

技能実習計画には、技能検定(随時3級、随時2級の場合は実技試験)に合格することを技能実習の目標として記載することになっています。また、技能実習制度の運用要項には、「実習実施機関は監理団体の指導のもと、技能実習を通じて、技能検定に合格する水準まで技能実習生の技能を向上させることを目的とする」とあります。

 

 

技能実習生は、技能検定に合格できなければ技能実習の次の段階(技能実習1号から2号、2号から3号)に進むことができません。ですから、実習実施機関と監理団体はタッグを組んで、技能実習生が技能検定に合格するようにサポートします。

実習実施機関は、技能実習計画を作成し、計画を適正に実施し、日々の指導により、実習生に技能を習得させます。

監理団体は、技能実習計画の作成をサポートし、計画の実施を監督し、技能検定合格のコツを、技能実習生と実習実施機関に指導します。

実習実施機関と監理団体が、それぞれの立場から技能実習生をしっかりとサポートし、技能を習得する制度となっているのです。

 

 

技能検定には、次の3つの種類があります

 

 

  1. ①都道府県職業能力開発協会が定期試験として実施するもの
  2. 「都道府県方式定期試験」と呼ばれ、試験は日本語で行われ、多くの場合年1回行われます。
  3. 技能実習生も受検できますが、日本語を母国語としない受検者に対する特別の配慮はありません。

 

 

  1. ②都道府県職業能力開発協会が随時試験として実施するもの
  2. 「都道府県方式随時試験」と呼ばれ、技能実習生を対象としています。
  3. 協会は、可能な範囲で監理団体の要望に配慮し、試験実施場所、実施時期を決定します。(名称は「随時」と されていますが、人員や会場の手配に限界があるため、日程などは監理団体の要望に100%は応えられない)。
  4. 試験は日本語で行われますが、試験問題に漢字にふりがなを振る等の配慮をしています。基礎級学科試験についてはローマ字のふりがなも併記しています。

 

  1. ③厚生労働大臣が指定する指定試験機関が実施するもの
  2. 「指定試験機関方式」と呼ばれ、技能実習生を対象としているのは、現在、ビルクリーニング職種(公益社団法人全国ビルメンテナンス協会)、 機械保全職種(公益社団法人日本プラントメンテナンス協会)の2職種となっています。試験実施場所、実施時期はそれぞれ異なっています。試験は日本語で行われますが、漢字にふりがなを振る等の配慮をしています。

 

 

ビルクリーニング職種と機械保全職種の技能実習生以外は、概ね②の随時試験を受検することになります。技能検定は、職種、作業によって区分されています。また技能検定は職種により、技能実習評価試験と呼ばれますが、基本的には同じものです。

繰り返しになりますが、技能実習生の目標は;

 

 

  • 〇第1号技能実習:基礎級の学科試験、実技試験に合格すること
  • 〇第2号技能実習:随時3級の実技試験に合格すること
  • 〇第3号技能実習:随時2級の実技試験に合格すること

 

都道府県方式の試験の形式は次の通りです。

  • 〇学科試験(概ね60~70/100以上で合格)
  • 基礎級: 二者択一式 20問 概ね60分以内
  • 随時3級:二者択一式 30問 概ね60分以内
  • 随時2級:二択、四択併用 50問 概ね100分以内

 

 

  • 〇実技試験(いずれも60/100以上で合格)
  • 基礎級: 原則1時間以内
  • 随時3級:2~3時間程度
  • 随時2級:3~6時間程度

 

 

受検申し込みは、日程調整や不合格の場合の再受検を考慮して、余裕をもって行います。

 

 

  • 基礎級では第1号技能実習修了の6か月前までに受検手続支援サイトにより申し込み、2~3か月前までには受検。(実習修了後速やかに第2号に移行する場合)
  • 随時3級では第2号技能実習修了の12か月前までに受検手続支援サイトに より申し込み、2~6か月前までには受検。(実習修了後速やかに第3号に移行する場合)
  • 随時2級では第3号技能実習修了の12カ月前までに受検手続支援サイトに より申し込み、技能実習期間中に受検。

 

  • 掲載写真は、ビルクリーニング職種として入国した技能実習生と、受入企業の生活指導/日本語教育担当の方の写真です。
  • 技能実習1号から2号への移行のため、基礎級の試験を受検しました。技能実習生は試験の合格のため、そして職場での実習や日本での生活を円滑におくるため、毎日のように顔を合わせる実習実施機関の職員の方々と知識と経験豊富な監理団体職員の方々からのサポ-トをうけながら、学び成長していきます。
  • 今回も受入企業と監理団体の手厚いサポートのおかげで、無事全員合格できました。

 

 

  1. 新型コロナ感染症の世界的大流行により、人の移動が自由にできなくなりました。日本の水際対策、フィリピンの入国者数制限、入国後2週間にわたる隔離措置、航空運賃の高騰などで、以前はクリスマスシーズンなどに休暇をとって、一時帰国することもできたフィリピン人労働者も、気軽に母国に帰国することは叶いません。帰国は当分できないと割りきって、母国の家族に毎日のようにビデオ電話をして、お互いの安否を確認し合ったり、フィリピンと日本のタイムリーな話題について談笑したりしながら、日本での仕事、実習に励んでいます。

 

 

コロナ禍の不安とストレスの中、母国から離れて暮らす技能実習生たちに、引き続きサポートと応援をお願いします。

 

 

(厚生労働省の情報を引用)

※写真撮影のため、一時的にマスクを外して撮影しております。

 

参照リンク先

試験実施機関/公益社団法人 全国ビルメンテナンス協会

厚生労働省ホ-ムペ-ジ ビルクリーニング分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」について)